（更新日：98/09/06)
| 香川県民ホール(グランドホール) (98/9/2) |
| レポート：ひなちゃん |
| 飛行機が香川県上空に差し掛かりもうすぐ着陸という頃、眼下にはため池がいくつもいくつも見えた。 香川県は灌漑対策の為ため池が多く用水路等の整備も進んでいる、と社会科で勉強していたが、 「人一倍自然を愛する男」マサムネさんがかつて香川県のため池について語っていたことを思い出した。 あぁ香川に来たんだぁ、と改めて実感。たまらなくワクワクしてきた。 香川県民ホールは正面玄関の前は道１本を挟んですぐ海。 そう、瀬戸内海。宇野や小豆島へ向かうフェリーの乗り場がすぐそばにあって、やや小ぶりのフェリー達が行き来していた。 その先には島々が浮かんでおり、まさに瀬戸内海ならではの光景。 やがて西側の空が徐々に白からオレンジ色へと変わり始め、夏の雲の形もその中に溶け込んでしまいそうになっていた。 それを映して海の色までもミルキーオレンジに染まりキラキラと輝いていた。 入場前、私はひとり階段に腰掛けてこんな風景を静かに眺めていた。 四国出身の私にとってそれは「初めて見る景色」ではないけれど久しぶりに目にするものだった。 オーバーな事をいうと母親のもとに帰って来た感じ？ 田舎のありふれた１シーンなのかもしれないけど、何だか温かくていとおしくて心にしみる気がした。 こんな素敵なところでスピッツに会えるんだ。きっとメンバーも私と同様にこの土地に心地良さを感じているに違いない。 こういった場所のほうが彼らは自分達らしいいいライブをやってくれるんじゃないだろうか。 何だか今日はとってもいいライブになりそうだ、と確信めいた予感がしていた。 |
| 私の席は１階８列目の田村君の正面。 左隣の女性は一見パリッとしたＯＬ風なんだけど、手のひらには黒マジックで「マサムネ」と書かれていた（笑）。 きっとマサムネさんはそれに気付いてはくれないだろうけど「書かずにはいられない？」その気持ち、よく分かるなぁ。 客電が消えて大歓声に包まれてスピッツ登場。 思ったよりよく見えて嬉しいぞ！しばらく席運に恵まれてなかったからなぁ。 さすがに田村君がよ〜く見えたんだけど、やや栗色で、いつものを短めにしたヘアスタイルがとっても可愛かった。 田村君てあの暴れっぷりといいその時に見せる表情といいまるで「やんちゃ坊主」みたいだよねぇ。 結論から言うとこの日のライブは本当に良かった。 観客とスピッツのハートがひとつになったような時間がずーっと続いた。 |
| マサムネさんもよくしゃべってくれた。 「高松のうどんは銀河一おいしいんじゃないかな？他の惑星にもうどんがあれば、の話ですが（笑）。」 「ライブ前に必ず２階３階に行って（見え方を）確認するんだけど、３階のロビーから外を見ると海が見えて。 ここって海が近いんだね。とってもいいところだなぁ･･･と。」 同じタイミングで同じ海を見ていたのかも！とニヤける私(^_^;) 「（香川の）海辺にはあまり行ったことないんだけどNewsMakerの表紙で海辺で 撮影したことがあったなぁ、『スピッツ黄金時代』に！」 「ここは隣にお城があるんだね。何城ていうのかな？（客「玉藻城！」）えっ？たまご城？？ ･･･玉藻城っていうんですか。たまご城っていうとドラクエとかに出てきそうな名前だなぁ（笑）。 僕は高松の実力者の家かなぁと思って見てました（笑）。」 「数年前に志度町のテアトロン（だったかな？）でやったライブがすっごく良かったなぁって 心に残ってるんですけど（しみじみ）。孫ができたら写真を見せて『おじいちゃんは昔ここでライブをやってね、 すごくいい所でね、死ぬ前にもう一度行きたいなぁ』って言うんじゃないかな（笑）。まだぜひあそこでやりたいですね〜。」 その土地を褒める地元ネタを出すのは定番でしょうけど、それを抜きにして考えても、 マサムネさんは香川県をかなり気に入ってるなというのが言葉の端々から強く感じられました。 また曲フリのマサムネ節も味わい深いものが（笑）！ 「今日高知から高松入りして真っ先にうどん屋に連れて行かれまして（笑）、釜あげうどんを食べまして。 自分であれこれトッピングするような店で･･･。 で、さっきおやつでまたうどんが出てきて（笑）。かけうどん、素うどん、こっちではかけうどんって言うんだよね？ だから今の僕のパワーはうどんの炭水化物パワーです（笑）。 今度は冷たいの（うどん）がいいなぁということで･･･『冷たい頬』。」 ブッ！私や周囲の客は思わずのけぞったよー。そしてこんなのも･･･。 「高松は池が多いんだよね〜。ぜひ高松にしばらく滞在して池めぐりをして河童探しをしたいなと思います。 ではそんな河童に捧げる曲で『ただ春を待つ』。」 分からなくもないけど、ムリヤリすぎない（笑）？ |
| 後半のノリのいい曲が続くあたりからさらにグーンと盛り上がって、私の周辺一帯は 汗くさかったぞ（私のせいではない・笑）！ 前の席にいた男の子２人組も拳を突き上げて楽しんでいた。 ふと会場を見渡すと少なくとも１階の客はみんなピョンピョン飛び跳ねてて手が頭上に挙がっていて、 まるで激しい阿波踊りのような、お祭り状態！ 会場が一体となってるというか誰もが「楽しくてたまらない」という表情でまさに至福の瞬間でした。 そんな光景を見たらメンバーだって力が入りますよ。 田村君はステージサイドのせりの方までむりやり出て来て、ベースを「弾く」のではなく「叩いて」みたり、 てっちゃんや崎ちゃんの所まで行ってあおってみたり。そうだよねぇ、動きの少ないスピッツの中で 田村君が観客の盛り上がりに１番反応してくれるし、全身を使って「会えた喜び」を分かち合ってくれる人なんだよねぇ。 田村君はお客さんの顔をよく見てるから、で、こっちも「見てくれてる」って分かるから、田村サイドはいつも 盛り上がっているような気がする。私もこの日は田村君のアクションに何度「きゃーん！」と悲鳴を上げたことか･･･。 マサムネさんも終始ニコニコしていて嬉しそうだったし、てっちゃんも前に出て来る回数がいつもより多かった気がする。 マサムネさんは「フンッ、フンッ、フンッ！」なんて鼻息をマイクにかけておどけたり、 腕を見せて「新しい傷を作るように（今日のライブが）刻み込まれたぜ！」と言ったり、 「みんなの元気を分けてくれ！･･･じゃダメか（笑）。僕の元気をみんなに分けてやるっ！決まったっ！！」 「引っ込み思案な僕がこんなになってしまって･･･（笑）。もっと、高い所に行ってみませんか？ ･･･スーパーノヴァ！（←めちゃかっこつけてたぞー）」とまぁ、とても楽しそうだった。オドオドした感じがいつもより少なく、 明らかにノッていたんでしょうね。 また、「こんな僕ですけど･･･良かったら･･･」何を言い出すのかとドキドキしていたら 「愛のレーザービーム（場内へ放つ）！！」。 何でレーザービームかと言うと昨日の高知では前日にヒロミＧＯのライブがあったから、らしい。 長野では聖子、香川ではヒロミの真似（笑）？ それにしても「こんな僕ですけど」だなんて。 そんなあなたで十分だわよっ、マサムネさんっ！ 曲について言えば、この日の「ただ春を待つ」はすごく心に残りました。 こんなに力強い曲だったんだ〜と感じると共に、マサムネさんのボーカルの魅力がフルに味わえる曲なんだなぁと。 力強くもありしなやかでもあり、本当に圧倒されました。 またチェリーの「君を待ってる〜」のマサムネさんの「手」がいつも以上に美しく心が込もっているように見えて、 余計に感動してしまいました。 また楓の時に前の男の子達がなぜかそろって頭を右、左、･･･とゆっくり振りながら聞き入っていて、 終わったら「あぁ〜〜･･･」と恍惚の溜息をもらしていたのが印象的でした。 |
| やがて大興奮の中でのアンコール、そしてメンバー紹介。 田村くんは「31歳なのに･･･みんながノせるから（笑）。」と今日の暴れっぷりを照れつつも（？）「今夜はおかげでおいしい お酒が飲めそうです。本当にありがとう！」と満足げ。本当にこの日はたくさんの笑顔をくれたよね、田村君。 クージーは「四国に来て、久し振りに太陽と青い空を見たような気がして気持ちよかったです」みたいなことを言ってて 私もそうそう！って思った。天気って気分を左右するもんね〜。クージーとマサムネさんは四国に行くっていうんで水着 を持って来たらしい（どうもまだ泳いではいないようだが）。 崎ちゃんは「今日の午後に高松入りしてホテルに荷物を置いて、その時にいそいでひげを剃ってたら切っちゃって まだ血が止まりません（笑）。」 マサムネ「流血ライブッ！！」 そして崎ちゃんは「もうすこし歌わせてください。今日は本当にありがとう！」 と頭を下げた。 崎ちゃんが「歌わせてください」と言った事にハッとしました。崎ちゃんはドラム担当なんだけど多くの曲でコーラスに参加 して美声を聴かせてくれているんですよね。この日、ヒバリのこころの歌い始め「僕が君に出会ったのは〜」を田村君も 歌っている（口を見ていて分かった）のに気付いたこともあって、歌っているのは（聞こえてくる声は）ボーカルの マサムネさんだけど、それはスピッツ４人の心から生まれてくる歌声が合わさったものなんだと思えてきて、 ジーンとしました。このメンバーの結びつきの強さや一体感みたいなのがスピッツの魅力のひとつなんですよね。 てっちゃんは「昨日の夜（高知の）コンビニに寄って他のメンバーはゲームやマンガ雑誌を立読みしてて、 俺はエロ本を見ててさぁ〜。」 マサムネ「でもコンビニで売ってる程度のエロ本でしょ？お店の中が外から見えないとかじゃなくて･･･。」 てっちゃん「ビニールの袋に入ってるとか、それは古いか（笑）。（客に向かって）俺がエロ本と言ってひくなよぉ〜（笑）。」 さらに口を出そうとしたマサムネさんに「君にはイメージがあるから、ハイハイ！」と発言をさえぎるてっちゃん。 まったく、マサムネさんへの愛が深いよね〜、そこまでガードしなくてもいいのにねぇ。 てっちゃん「そしたら女の子がマサムネのところに来て『今日のライブ良かったです！』って言ってて、 そしたら田村が俺の方を見て『テツヤ、エロ本、テツヤ、エロ本、･･･（早口で囁く）』って（爆）。 俺は別にエロ本読んでるとこ見られてもいいんだけど〜。もうっ（田村は）アクマなんだから〜（笑）。」 田村「でもその後金田一少年の事件簿買ってたよね！」 てっちゃん「会計する時に（田村君が）『後で貸してね』って言うし（笑）。」 つきあいの長い２人の仲良しぶりがうかがえる話だわ。 リーダーはメンバーの素行に目を光らせていることも分かったし（笑）。 で、スピッツは今プレステのサッカーゲームにハマッていることは有名だけど、てっちゃんが「ブラジル代表」、 崎ちゃんが「イタリア代表」、田村君が「イングランド代表」、マサムネさんが「ユーゴスラビア代表（だったかな？いささか 自信なし）」だそうで、それをからめて田村君がマサムネさんのメンバー紹介へ振ろうとしたところ、 タイミングが合わず大失敗しちゃって仕切り直すひとコマが（場内大爆笑でしたが）。 マサムネさんも「かむわ、かぶるわで大変だ！」と面白がってました。 「ユーゴ代表のマサムネビッチです」とか自分で言ってるし。 マサムネさんは「あ、関係ない事言ってもいい？（客の一部が『ハイッ！』とＯＫ出ししてましたが・笑） 高知でさ、アンコール前にいったんステージからそでにひいた時に気付いたんだけど･･･チャックが全開だった（爆）！」 まっ、セクシー！ 終始笑いに包まれた、そしてメンバーからの「ありがとう」の言葉が実感を込めて私達の心に届いたＭＣでした。 |
| ライブ終了後、ふらふらと会場の周りを歩いていると機材移動用のツアートラックを見つけまして、当然ファンの人達が 記念写真を撮ったりしていたんですけど、トラックの側面の１番上に書かれてある「ＳＰＩＴＺ」という字を見ていると ジーンとしてしまいました。 「ＳＰＩＴＺ」という名のもとにあの４人が集まり、その下に全国のたくさんのファンがさらに集っているような気がして、 眩しくて最愛の言葉だなぁって思えたんです。字体も音の響きもとってもいいよね。 まだまだこれからも私達は「ＳＰＩＴＺ」という名前を追いかけ、口にし続けていくんだよね、うん、それでいい！ 改めて「ＳＰＩＴＺ、愛してるよー！」と大声で叫びたい、そんなライブでした。 |
| ひなちゃん、貴重なレポありがとう☆ |
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